ほんとに出来るの〜
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| 「21世紀はロボットの時代」〜中山真氏(安川電機・取締役会長) |
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現在、世界で稼動しているロボットのうち、日本製が44%を占めるとのこと。驚きです。「産業用ロボットは1962年、米国で生まれたが高価なため売れず、日本で造り出して初めて商品化に成功した」とのお話。1940年創立、産業用電気機器製販業として歩んできた同社が、1977年電気式ロボットを開発、爾来、斯界のリーダー的存在となっています。その旗振り役だった中山さんの興味深い講演です。
私たちの世代が少年時代に読んだ「鉄腕アトム」、本では2003年4月7日に誕生することになっていたが、実現しなかった。なにしろ十万馬力の原子力を背負って、飛んだり跳ねたりするわけだから、そんなロボットを造ることは、現在の技術では実現が難しい。しかし、あれを50年前に書いた「手塚治虫」は、極めて優秀なクリエイターだったと私は思う。
時が移り、いま次世代ロボットが賑やかだ。ホンダの「アシモ」、ソニーの「アイボ」が有名なのはご存知の通り。自由に走り回ったり、かわいいしぐさをしたり・・・音声認識(耳)、画像認識(目)の機能があり、学習能力も備えている。「アシモ」は、リースで2000万円程度するが、それでもあちこちで引っ張りだこと聞く。今は試作段階だが、完成は近い。
いま事業として成り立っているのは産業用ロボットである。これは人間や動物に似ても似つかぬ"機械"そのもの。産業用ロボットの中身は、溶接用が40%、液晶搬送20%、半導体関連が15%、塗装5%だ。また、現在世界で約80万台のロボットが稼動、日本が44%と最も多く、2位の米国、ドイツの14%を大きく引き離し、韓国、イタリアは6%程度だ。
日本がこれほどリードしている要因は何か。3つある。
@ロボットが必要な自動車、電機業界が好調であること。
A溶接、塗装などの熟練工が不足していること。今やロボットなしで自動車は造れない。
B日本の労組が欧米のように職能別ではなく、企業内組合であること。もし、溶接工の仕事がなくなっても、企業内で他の仕事に就かせることができる。
将来のロボット産業はどうなるか。2025年に7兆9500億円になると予測されている。現在のロボット出荷額は6650億円だから、10倍以上に成長することになる。1980年の「ロボット元年」から10年間伸び続け、さらに10年後には4倍に伸びたわけだから、20年かけたら10倍以上というのもあり得ること。私はこれをマスコミに発表した。
需要分野は、産業から家庭、オフィスに広がり、さらに医療、福祉関係にも及ぶ。このなかで特に期待されるのが手術用ロボットだ。内視鏡を使って手術するもので、人間の動きをより細かいところで、微細に動かすことができる。また、介護、介助、病院内の支援といったものから、救助、海洋、宇宙にまで、今後、ロボットの広がりは期待されている。
「次世代ロボット」について話したい。今、大きく取り上げられているのが、二本足で歩く「人間型ロボット」。この先駆けがホンダの「アシモ」である。威圧感を与えぬために大人よりひと回り小さくしているそうだ。受付、案内、展示物の紹介、簡単な物の搬送などに使われる。愛知万博でトヨタがトランペットを吹くロボットを世に出し、注目された。
いま、当社では「スマートパル(賢い友達という意味)」というロボットを開発している。このロボットには頭がない。電気で動くから内臓は要らない。頭脳に相当するコンピュータは全て胴体に入れればよい。頭がなく足もないが、特別に開発した車輪で動く。しかし、将来、人間と空間を共有する以上、二足歩行のロボットは必要であることは間違いない。
これから大切なのは、複雑な作業をこなす「手」や「指」である。スマートパルには手もあれば指もある。先日、あるセレモニーでテープカットを見事にやった。また鏡開きにも加わった。将来は卵を割る、釘を打つことなどに挑戦させたい。当社には人工の指に魅せられた開発者がいて、彼女が一生懸命やってくれるから指のことについては安心している。
次世代ロボットの最大のニーズは「介護」ではないか。介護には人と人との触れ合う作業があり、全てを機械にというのは無理。したがって「介護支援ロボット」と位置づけられるべきだろう。例えば、食事専用のロボット。目の動きとか顔の表情をロボットが読み取って食事をさせるのである。また、今後増える在宅介護。これにはロボットは欠かせない。
これから20年、ロボットはどのような形で発展するか。第一ステップ・・・搬送、清掃、案内など環境を認識して、決められた仕事をするロボット。第二ステップ・・・小売業、サービス業など人を認識してコミュニケーションをとりながら接客するロボット。10年ぐらい先か。第三ステップ・・・人と協調しながら作業する介護福祉ロボット。15年はかかるだろう。
第四ステップ・・・人と共存し、自立して作業する生活支援ロボット。この頃からロボットが家庭に入る。家庭に入るには価格と安全性という問題が非常に厳しく求められる。今後、20年はかかるだろう。この4つのステップを踏んで、2025年を迎えるのではないか。ここまでくると、いまの自動車や携帯電話のように、生活にロボットが欠かせなくなる!
時代ニーズに合わせた次世代ロボットの活用は、
@少子化への対応・・・労働人口が1995年から減り始め、2025年までには1000万人以上の減少が見込まれている。どうやって生産性の向上を図るか。外国労働者か? これには限界がある。自動化、ロボット化しかない。
A女性の労働力アップ。育児、家事全般の負担を軽減するため、ロボットが必要になる。
Bわが国製造業の競争力強化・・・いま全産業の溶接のロボット化は、まだ10%。組み立て分野では自動車産業でさえ、ロボット化はほとんど進んでいない。製造業の優位をキープするためにも、わが国のロボット技術の進歩は欠かせない。我々ロボット産業に携わる者として、21世紀、豊かな生活への夢の実現に向けて、一役も二役も果たしていきたい!
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